絶対に甘くみたらいけない。誰もが知っておく必須知識:熱中症について

こんにちは!

今回はスポーツ現場で起こり得る『熱中症』についてです。

5月以降気温は急激に上がり、
梅雨から秋にかけては対策や予防が必須の熱中症ですが、
絶対に甘くみていいものではありません。

指導者、保護者、選手自身も選手(自分)を守るために
絶対に熱中症についての知識は覚えておきましょう!

た今回の記事は生命を守る事にも繋がります。

指導者や保護者の方、スマホを持っている子供たちは
是非チームメイトや関係者、友達などにもシェアをして下さる
嬉しいです。

よろしくお願い致します。

スポーツで熱中症の死亡事故1位は・・・野球という事実

このブログは主に野球関係者の方が
読まれていると思います。

念な事に、熱中症の死亡事故が一番多い競技は野球です。
こちらをご覧ください。

出典元:独立行政法人日本スポーツ振興センター
http://www.jpnsport.go.jp/anzen/Portals/0/anzen/kenko/jyouhou/pdf/nettyuusyo/nettyuusyo_all.pdf

このように野球では37件の死亡事故が発生しています。
心苦しく残念な事ではありますが、この事実からも野球関係者は
より熱中症に気をつけていかなければなりません。

死亡事故にはなっていませんが、実際に甲子園で球児が
けいれんを起こしたケースもあります。
また観客も毎年熱中症が発生しているようです。

子園球児という普段から暑い外に出て
練習をしている選手でも、熱中症は起こっています。

プレーする選手だけでなく、試合観戦中やお手伝いの保護者、
指導者も十分に気をつけていかなればなりません。

熱中症になりやすい環境:WBGT値

熱中症になりやすい、環境条件は当然「気温が高い」
事があります。
ただそれだけでなく、「湿度」も関係してきます。

気温が猛暑日の様な暑さでなくても、
湿度によっては危険な環境下になる事もあります。

WBGT値という湿度指標というものがあります。
気温と湿度によって危険度を示す
指標がありますので、ご覧ください。

出典元:日本生気象学会(熱中症予防指針)
http://seikishou.jp/pdf/news/shishin.pdf

覧の様に縦軸が気温、横軸が湿度となっています。
同じ30℃でも湿度が20%と85%では
危険度が大きく変わってきます。
梅雨の時期や雨が降った後の翌日などは特に注意が必要です。

気温だけで判断しがちですが、
このWBGT値を知っておくとその日の危険度がわかります。
こちらからWBGT値を調べることができます。

WBGT値を調べる

回の練習前や定期的に監督・管理責任のある方
は調べておくことが望ましいですね。

熱中症のレベルと症状・その対処法

次に熱中症のレベルと症状またその対策について、
ご紹介していきます。

このレベルと症状を知っておく事で、
異変にいち早く気づく事ができます。

「ちょっと頭が痛い」
「少しだけ気持ち悪い」
という事は、スポーツの現場にいると1年中ある事です。

ただ、
「いつも通りのことだから、頑張れ!」
悪気なく言った言葉が重症化を招くかもしれません。

慣れや経験則は早期発見を遅らせる事もあります。
しっかりとレベルと症状について把握しておきましょう。

熱中症「Ⅰ度」(軽度)の症状と対処法

「めまい、立ちくらみ、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)、下痢、吐き気、悪寒」
といった症状が現れます。

意識なくなるなどはありません。

対処法としては、涼しい所で休ませて身体を冷やし、
失われた水分と塩分を飲み物で補給します。

できれば、経口補水液が望ましいので
用意しておくことをお勧めします。

また、
衣類を緩め、足を頭より高くして休ませる処置をします。
手足から体の中心向かってマッサージや、
水を体や頭にかけると気化に熱を逃がしてくれますので
効果的です。

の後様子を見ますが
プレーへの復帰はしない方が賢明です。

無理をさせないようにしましょう。

況により症状は変化しますので、
心配な場合や症状が良くならない時は
医療機関を受診するようにしてください。

熱中症「Ⅱ度」(中等度)の症状と対処法

※場合によっては救急車を要請します

症状は、
「頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感、集中力や判断力の低下」

があげられます。
明らかな体調不良の症状がでます。

意識障害がある場合もあります。
・自分で水が飲めない
・意識障害で受け答えがはっきりしない
などがあります。

前を聞いたりしてみて、意識があるか確認を
しましょう。

また、意識がなくなり水が飲めない時は
無理に飲ませると危険なので飲ませないようにします。

この場合は応急処置では対処できないため、
早急に医療機関を受診、もしくは救急車を呼ぶ様にします。

※涼しい場所への移動、衣類を緩めるなどの処置は必要です。

熱中症「Ⅲ度」(重度)の症状と対処法

※この場合はすぐに救急車を要請してください※

「意識障害、けいれん、手足の運動障害、おかしい言動・行動、高体温」
などの症状が現れます。

体温は体に触ると熱いというレベルです。

後遺症や死亡事故にも繋がりかねる状態です。
一刻も早く医療機関へ連れて行き、
入院による治療を受けるようにします。

分類に頼らない

上記の分類はあくまで目安になります。
通常の指導者は医療従事者ではありません。

自分で判断できない場合は病院を受診しましょう。
根拠のない判断が最も危険です

また、症状が軽い場合でも重症化することもあります。
1人にするのではなくて、必ず回復するまで1人つくようにしましょう。

熱中症のガイドライン

熱中症のガイドラインがありましたので、
ご確認ください。
出来たらチーム単位でのシェアをすると
良いかもしれません。

出典元:環境省熱中症予防サイト
http://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_checksheet.php

 

熱中症の予防策

小まめな水分補給

ず当たり前のことながら水分補給が重要です。

練習中などの場合、決まった時間や練習の区切りにて
水分を補給する事が多いかもしれませんが、
練習中でも自由に水分がとれるようにしたりと
工夫が必要になるでしょう。

基本的に喉の渇きを感じる前に補給する事が大切です。

飲み物の工夫:自発的脱水に注意

「熱中症を防ぐために、水分はとるようにしている」
という場合でも飲み物によっては熱中症になりやすい場合があります。

汗をかくと、汗とともに塩分が排出されます。
通常の水やお茶だけで水分を補給すると、喉の渇きは
収まります。
ですが、体内の塩分濃度が低いため濃度を戻そうとします。

水分が多いと濃度薄まっていきますので、
濃度のバランスを保つ為にそれを排出しようとします。

これを「自発的脱水」といいます。

十分に飲んでいても、体のバランスの関係で
排出してしまうのですね。

急速に熱中症が進む場合もあるので気をつけて
おきたい所です。

お茶などは利尿作用もあるので、
スポーツ中の水分補給としては見直す必要があるかも
しれません。

飲み物についてはこちらの記事を一読しておくと
理解が深まりますので、ご参考にしてください。

ジュニアアスリートが知っておくべき一味違う水分補給の3つのポイント

経口補水液を1本持たせておこう

上記の様に飲み物の工夫が必要な事もあります。

最近ではコンビニでも売っている経口補水液があります。
これは飲む点滴と言われてるものです。

脱水症状にも適した飲み物になっていますので、
チームとして、個人でも常備しておく事をお勧めします。

た、最近では首を冷却し巻きつける対策グッズや
塩分チャージ用の飴やタブレットも豊富ですので
活用していきましょう。

お手軽なものも多いので、積極的に活用しましょう。

練習環境の配備

練習環境の配備もとても重要な要素です。

・涼しい日陰をつくる(テントなど)
・チームで氷を用意する
・飲み物をいつでも飲めるようにする
・体調不良者がいないか確認をとる
・練習量を少なくする(強度を落とす)
・気温があがる時間を避ける
・熱中症について情報をシェアする

アイディア次第では他にもできる事はあると思います。
指導者1人ですべてをやろうとするのは難しい事ですので、
協力体制を整え、対策を講じていきましょう。

手の性格によっては我慢しがちなタイプもいます。
そういった選手は正義感や責任感から人一倍努力しようと
するので、注意が必要です。

ちなみに、
私が携わっているチームでは氷水(冷たい水)を霧吹きにいれて
休憩中に頭や顔にかけています。

気化熱は熱を多く排出してくれるので効果的です。
選手たちも冷たくて気持ちがよいですね。

熱中症になりやすい体質や条件がある

熱中症は体質やその個人の条件にもよって、
発生してきます。

例えば、少し寝不足の状態や体調不良の場合にも
起こる確率が上がって来ます。

「これくらいの暑さの時にみんな問題なく頑張ってたから今回も大丈夫」
と括ってしまう事に気をつけましょう。

病み上がりや疲労状態など個人の条件によって、
変わる事もありますので指導者はその考慮が必要です。

中学・高校生であればテスト期間で寝不足という事もあります。
そういった事を加味していく必要があります。

生命を守る事より重要な事はない

暑い時期というのはハイシーズンでも野球をやっている
選手たちやチームにとって重要な時期でもあります。

ただ、そのことばかりに気がいってしまうと
重大事故になりかねません。

10月に猛特訓をした選手が死亡したという事故もあります。
それほど暑い時期でなくても運動強度によっては
十分起こり得ることです。

勝ちたいという気持ちがあまりにも前に出すぎると
見えなくなるものがあるのではないでしょうか。

導者は冷静に全体を俯瞰してコントロールする
事も必要な事です。

選手の安全と生命を守る事以上に重要な事はありません。
指導者・保護者・選手がそれぞれの立場から
運営を考え一番優先的にまず一番の仕事だと思います。

「勝ちたい」という気持はどの立場からでも当然思う事ですが、
何も知識なしに事故を起こしては意味がありません。

時には、「勝ちたい」気持ちを抑えて「安全」の為に
決断する事も必要です。

「勝ちたい」という事よりも「選手や関係者の安全を守っている」
という事に誇りをもっていく事が大切なのではないでしょうか。

それが指導者に求めらる「英断」だと考えています。

関係する方の健康や体調不良がなくそれぞれが
好きな野球を目一杯できる事を願っております。

※良ければシェアをしてチームなどで役に立ててください。

※コチラの記事も合わせて読んでください。
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