こんにちは!
バッティングでは良く「腰を回せ!」と、
指導される事があります。
ただこの「腰を回せ」というのは実は不可能なんです。
腰の骨部分は腰椎と言いますが、
腰椎は左右に5度程度しか動きません。
![](http://ged-bb.jp/blog/wp-content/uploads/2017/02/born-e1486959973290.jpg)
なので、物理的に腰を回すという事はできません。
では、指導者や選手が意識している
「腰」とはなんでしょうか?
正解は「骨盤」です。
なので、ここでは一般的に「腰」、
と言われている事を「骨盤」と言います。
実際には腰を回すわけではなく、
骨盤が回転していく事になります。
今回は、骨盤を含んだ下半身の使い方
について書いていきますね!
この動作ができると人によっては、
大幅にバッティングフォームが良くなり、
向上していきますよ!
動画説明はこちらから
↓↓
骨盤の使い方をマスターしよう!
目次
骨盤(腰)はすぐに回してはいけない
バッティングでは、ステップをしたら
骨盤を回転させながらスイングをしていきます。
ただステップ後にすぐに骨盤を回転させてしまうと、
正確にバットにボールにぶつける事ができません。
良く「後ろ足の軸で振れ」と野球では言いますが、
この場合、正確にバットにボールが当たりにくくなります。
なぜなのか、説明していきます。
@動画もありますのでそちらも御覧ください
①上半身と下半身が同時に回転する
ステップ後にすぐに骨盤を回転させてしまうと、
上半身と下半身が同時に回ってしまいます。
こうなると、腕が前に出すぎてしまうため
極端なダウンスイングになります。
その為バットがボールの下側に当たりやすくなり、
チップ系の打球が多くなります。
バットの軌道はボールに対して合わなくなるため、
ミート率も下がってきます。
②ドアスイングの原因となる
次の良くない点は、ドアスイングの原因となる事です。
ドアスイングとはスイングの時に、
腕が体から離れて遠回りになる事をいいます。
骨盤がすぐに回転してしまう場合、
遠心力や体がうまく使えなくなり腕が体から離れやすくなります。
ドアスイングになると、
ボールの外側にバットが当たりやすくなるので
引っ掛けるボテボテのゴロが多くなります。
また、いわゆる「泳がされる」状態にもなりやすく
変化球への対応力や外角のコース、低めのコースへの
ミート率が下がります。
更にドアスイングの場合、
体が先に回転していく事もあるので、
バットが極端に遅れて出て来ます。
この場合はバットの根っこに当たりやすく、
詰まった打球になりやすい傾向があります。
バットは外側に出ている為、
内角へのミート率も下がります。
③インパクトが弱くなる
骨盤が先に回転してしまう場合、3つ目の良くない点は
インパクトの力が弱くなってしまう事があります。
これは骨盤の回転により、
前側(ピッチャー側)の骨盤が引けてしまう為です。
タメでつくった力が軸足に掛かったままスイングをすると、
前側の骨盤は引けてきます。
前から来るボール対して、
自分の体が引けて下がってしまうので、
仮にミートしたとしても力が伝わり辛く
自分の力を発揮してボールを打つ事が難しくなります。
④手打ちになる(手首でこねる)
骨盤がすぐに回転し、
上半身と下半身が回転してインパクトをした時は、
「骨盤も上半身もこれ以上回転できない」状態で
バットにボールが当たります。
こうなると、上半身・下半身は回らないので
手首をこねて打ち始めます。手打ちになるという訳です。
この場合は、バットの先っぽに当たりやすい傾向がでます。
万が一ミートしても、先ほどと同様に力が入りにくいので
強い打球は期待がしにくくなります。
指導者の方でも「後ろ足の軸で打て!」と、
指導される方もいるかと思いますが、
実は後ろ足を軸にしてしまうと打つ確率は下がります。
プロ選手の写真を見てみたいと思います。
![](http://ged-bb.jp/blog/wp-content/uploads/2017/02/impact2.jpg)
![](http://ged-bb.jp/blog/wp-content/uploads/2017/02/impact1.jpeg)
![](http://ged-bb.jp/blog/wp-content/uploads/2017/02/impact3.jpg)
![](http://ged-bb.jp/blog/wp-content/uploads/2017/02/impact4-300x268.png)
どの選手もインパクト時には、
前足が軸になっていますね。
後ろ足には体重は掛かっていません。
これは少年野球の指導者で、多い勘違いの1つです。
骨盤(腰)は横に動かし、前足を軸にする
では、骨盤はどのように動かしていくかというと
ステップ後に「横に動かす事」事が必要な動作になります。
そのまま向きを変えずに動かします。
軸足でタメをつくった時には、力は軸足の股関節にあります。
タメた力を骨盤の横移動の動作をして、前足の股関節へ移します。
この動作が重要なポイントになります。
先ほどのプロ選手の写真の様に
前足(前股関節)を軸にスイングする事ができます。
前足(股関節)を軸にしてスイングする効果
①下半身主導のスイングで「運動連鎖」が起こる
前足を軸にしてスイングすると、
下半身を主導したスイングになります。
下半身からのスイングは「運動連鎖」が起こります。
簡単にいうと、下半身の力が上半身に伝わりそれが
速いスイングを生み出す事ができます。
②ボールの軌道にバットが入りやすくなる
タメによって軸足の股関節の力を、
骨盤の動きで前足を軸にしていくと、
構えているバットは自然と少し下がる様になります。
これは決してトップが下がっていたり、
ヒッチしている訳でなく、自然とそうなるものです。
これもいくつかプロ選手の写真を見てましょう。
![](http://ged-bb.jp/blog/wp-content/uploads/2017/02/yanagita-rinia.jpg)
![](http://ged-bb.jp/blog/wp-content/uploads/2017/02/yamada-rinia.jpg)
![](http://ged-bb.jp/blog/wp-content/uploads/2017/02/sakamoto-rinia.jpg)
骨盤の「横の動きにより」、自然と下がっているのがわかると思います。
これは体の構造上なります。
この少し下がる事により、
ボールの軌道にバットが入りやすくなり、ミート率が上がります
これにより、腕が体から離れずに力が入りやすくなります。
なのでドアスイングも改善されますね。
良く「構えから最短距離で振れ」と言いますが、
実際はそんな事はないです。
これも「後ろ軸で振れ」と同様に、
少年野球や中学野球くらいではとても多い勘違いの1つです。
③力がバットに伝わる
後ろ足を軸にして回転した場合、
体が引けてしまうと先ほど説明をしました。
前足を軸にした場合は体が引けて来ないので、
体重がそのままボールにぶつかりやすくなります。
結果、ボールの飛距離が伸びたり、
打球スピードが上がってきます。
また前足を軸にした場合、
バットとボールが当たった時の体重比率は
ほぼ「前足が10、後ろ足が0」となります。
もう一度、プロ選手の写真で確認してみてください。
![](http://ged-bb.jp/blog/wp-content/uploads/2017/02/yanagida.impact1.jpeg)
ちなみにですが、体重比率が「前10、後0」になるのは
インパクトの瞬間のみです。
インパクト後は前足に勢いよく乗った力を支える為に、
反動で後ろ戻ってきます。
これをヘッドステイバックと言ったりします。
更に、スイングのフォロー時などに
前足が崩れてしまう選手がいます。
これは自分のパワーを前足が支える事が
できない為に起こります。
前足が地面と接地し、あまりにも固定されていると
回転をするのに制限がかかります。
パワーのあるバッターは強い回転力でスイングしていますので、
制限がかからないように自然と前足が崩れます。
ただ、これはアリな崩れ方です。
逆にパワーのある選手が前足を固定しようとすると、
長所がなくなり、窮屈で打てなくなると思います。
![](http://ged-bb.jp/blog/wp-content/uploads/2017/02/yanagida-impact2.jpg)
前足を軸にした時に掴んで欲しい「感覚」
この前足を軸にする時に掴んで欲しい「感覚」があります。
それは「前肩が残る」感覚をつかむという事です。
骨盤は横に動き、軸を前足に移した場合
前側の肩甲骨は背骨から離れる動きをします。
肩甲骨周辺の筋肉が、
少し伸ばされていくような感覚です。
前足に軸が移せても、一緒に上半身も回転したりすると
肩甲骨が離れて「前肩が残る」感覚はつかめません。
上半身も含め正しく前足に軸を移せると
この感覚が得られるはずです。
![](http://ged-bb.jp/blog/wp-content/uploads/2017/02/kuriyama1.jpg)
前足を軸にする練習方法
では、下半身主導で前足を軸する練習方法をご紹介します。
@動画でもご確認ください
クラドルスイング
① 足をステップ幅にする
② 骨盤が回転しないように足踏みを何回か繰り返す
③ スイングする
という流れでやる練習になります。
足踏みをする事で、
軸足から前足へ体重が移動しますので、
前足を軸にしてスイングする事が可能になってきます。
プッシュローテーション
右バッターの場合(左は逆)
①右手を右骨盤に当てる
②左手の指を前足の股関節に当てます
③右手で骨盤を押しながら、左手の指が挟まるように行う
右手で押すことにより、
骨盤の横の動きを可能にします。また、左手が挟まる事で
前足を軸にして回転ができている事になります。
是非、練習やチームの練習に取り入れてライバルに差をつけましょう!
-まとめ-
・骨盤はすぐに回転させない(後ろ軸で回転してしまう)
・骨盤は横に動き、前足を軸にして回転をする
・「後ろ軸で振れ」「構えから最短距離で振れ」などは実際の動作とは違く、勘違いされている事が多い