腰は回してはいけない?バッティングで必要な下半身の使い方とは

こんにちは!

バッティングでは良く「腰を回せ!」と、
指導される事があります。

ただこの「腰を回せ」というのは実は不可能なんです。
腰の骨部分は腰椎と言いますが、
腰椎は左右に5度程度しか動きません。

なので、物理的に腰を回すという事はできません。

では、指導者や選手が意識している
「腰」とはなんでしょうか?

正解は「骨盤」です。

なので、ここでは一般的に「腰」、
と言われている事を「骨盤」と言います。

実際には腰を回すわけではなく、
骨盤が回転していく事になります。

今回は、骨盤を含んだ下半身の使い方
について書いていきますね!

この動作ができると人によっては、
大幅にバッティングフォームが良くなり、
向上していきますよ!

動画説明はこちらから
↓↓

骨盤の使い方をマスターしよう!

骨盤(腰)はすぐに回してはいけない

バッティングでは、ステップをしたら
骨盤を回転させながらスイングをしていきます。

ただステップ後にすぐに骨盤を回転させてしまうと、
正確にバットにボールにぶつける事ができません

良く「後ろ足の軸で振れ」と野球では言いますが、

この場合、正確にバットにボールが当たりにくくなります。

なぜなのか、説明していきます。

@動画もありますのでそちらも御覧ください

①上半身と下半身が同時に回転する

ステップ後にすぐに骨盤を回転させてしまうと、
上半身と下半身が同時に回ってしまいます。

こうなると、腕が前に出すぎてしまうため
極端なダウンスイングになります。

その為バットがボールの下側に当たりやすくなり、
チップ系の打球が多くなります。

バットの軌道はボールに対して合わなくなるため、
ミート率も下がってきます。

②ドアスイングの原因となる

次の良くない点は、ドアスイングの原因となる事です。

ドアスイングとはスイングの時に、
腕が体から離れて遠回りになる事をいいます。

骨盤がすぐに回転してしまう場合、
遠心力や体がうまく使えなくなり腕が体から離れやすくなります。

アスイングになると、
ボールの外側にバットが当たりやすくなるので
引っ掛けるボテボテのゴロが多くなります。

また、いわゆる「泳がされる」状態にもなりやすく
変化球への対応力や外角のコース、低めのコースへの
ミート率が下がります。

更にドアスイングの場合、
体が先に回転していく事もあるので、
バットが極端に遅れて出て来ます。

の場合はバットの根っこに当たりやすく、
詰まった打球になりやすい傾向があります。

バットは外側に出ている為、
内角へのミート率も下がります。

③インパクトが弱くなる

骨盤が先に回転してしまう場合、3つ目の良くない点は
インパクトの力が弱くなってしまう事があります。

れは骨盤の回転により、
前側(ピッチャー側)の骨盤が引けてしまう為です。

タメでつくった力が軸足に掛かったままスイングをすると、
前側の骨盤は引けてきます。

前から来るボール対して、
自分の体が引けて下がってしまうので、
仮にミートしたとしても力が伝わり辛く
自分の力を発揮してボールを打つ事が難しくなります。

④手打ちになる(手首でこねる)

骨盤がすぐに回転し、
上半身と下半身が回転してインパクトをした時は、
「骨盤も上半身もこれ以上回転できない」状態で
バットにボールが当たります。

こうなると、上半身・下半身は回らないので
手首をこねて打ち始めます。手打ちになるという訳です。
この場合は、バットの先っぽに当たりやすい傾向がでます。

万が一ミートしても、先ほどと同様に力が入りにくいので
強い打球は期待がしにくくなります。

指導者の方でも「後ろ足の軸で打て!」と、
指導される方もいるかと思いますが、
実は後ろ足を軸にしてしまうと打つ確率は下がります。

プロ選手の写真を見てみたいと思います。

どの選手もインパクト時には、
前足が軸になっていますね。
後ろ足には体重は掛かっていません。

これは少年野球の指導者で、多い勘違いの1つです。

骨盤(腰)は横に動かし、前足を軸にする

では、骨盤はどのように動かしていくかというと
ステップ後に「横に動かす事」事が必要な動作になります。
そのまま向きを変えずに動かします。

足でタメをつくった時には、力は軸足の股関節にあります。
タメた力を骨盤の横移動の動作をして、前足の股関節へ移します。
この動作が重要なポイントになります。

先ほどのプロ選手の写真の様に
前足(前股関節)を軸にスイングする事ができます。

前足(股関節)を軸にしてスイングする効果

①下半身主導のスイングで「運動連鎖」が起こる

前足を軸にしてスイングすると、
下半身を主導したスイングになります。

下半身からのスイングは「運動連鎖」が起こります。
簡単にいうと、下半身の力が上半身に伝わりそれが
速いスイングを生み出す事ができます。

②ボールの軌道にバットが入りやすくなる

タメによって軸足の股関節の力を、
骨盤の動きで前足を軸にしていくと、
構えているバットは自然と少し下がる様になります。

これは決してトップが下がっていたり、
ヒッチしている訳でなく、自然とそうなるものです。

これもいくつかプロ選手の写真を見てましょう。

骨盤の「横の動きにより」、自然と下がっているのがわかると思います。
これは体の構造上なります。

この少し下がる事により、
ボールの軌道にバットが入りやすくなり、ミート率が上がります

これにより、腕が体から離れずに力が入りやすくなります。

なのでドアスイングも改善されますね。

良く「構えから最短距離で振れ」と言いますが
実際はそんな事はないです。

これも「後ろ軸で振れ」と同様に、
少年野球や中学野球くらいではとても多い勘違いの1つです。

③力がバットに伝わる

後ろ足を軸にして回転した場合、
体が引けてしまうと先ほど説明をしました。

前足を軸にした場合は体が引けて来ないので、
体重がそのままボールにぶつかりやすくなります。

結果、ボールの飛距離が伸びたり、
打球スピードが上がってきます。

また前足を軸にした場合、
バットとボールが当たった時の体重比率は
ほぼ「前足が10、後ろ足が0」となります。

もう一度、プロ選手の写真で確認してみてください。

ちなみにですが、体重比率が「前10、後0」になるのは
インパクトの瞬間のみです。

インパクト後は前足に勢いよく乗った力を支える為に、
反動で後ろ戻ってきます。
これをヘッドステイバックと言ったりします。

更に、スイングのフォロー時などに
前足が崩れてしまう選手がいます。

これは自分のパワーを前足が支える事が
できない為に起こります。

前足が地面と接地し、あまりにも固定されていると
回転をするのに制限がかかります。
パワーのあるバッターは強い回転力でスイングしていますので、
制限がかからないように自然と前足が崩れます。

ただ、これはアリな崩れ方です。

逆にパワーのある選手が前足を固定しようとすると、
長所がなくなり、窮屈で打てなくなると思います。

前足を軸にした時に掴んで欲しい「感覚」

この前足を軸にする時に掴んで欲しい「感覚」があります。
それは「前肩が残る」感覚をつかむという事です。

骨盤は横に動き、軸を前足に移した場合
前側の肩甲骨は背骨から離れる動きをします。

肩甲骨周辺の筋肉が、
少し伸ばされていくような感覚です。

前足に軸が移せても、一緒に上半身も回転したりすると
肩甲骨が離れて「前肩が残る」感覚はつかめません。

上半身も含め正しく前足に軸を移せると
この感覚が得られるはずです。

前足を軸にする練習方法

では、下半身主導で前足を軸する練習方法をご紹介します。
@動画でもご確認ください

クラドルスイング

① 足をステップ幅にする
② 骨盤が回転しないように足踏みを何回か繰り返す
③ スイングする

という流れでやる練習になります。
足踏みをする事で、
軸足から前足へ体重が移動しますので、
前足を軸にしてスイングする事が可能になってきます。

プッシュローテーション

右バッターの場合(左は逆)
①右手を右骨盤に当てる
②左手の指を前足の股関節に当てます
③右手で骨盤を押しながら、左手の指が挟まるように行う

右手で押すことにより、
骨盤の横の動きを可能にします。また、左手が挟まる事で
前足を軸にして回転ができている事になります。

是非、練習やチームの練習に取り入れてライバルに差をつけましょう!

-まとめ-

・骨盤はすぐに回転させない(後ろ軸で回転してしまう)
・骨盤は横に動き、前足を軸にして回転をする
・「後ろ軸で振れ」「構えから最短距離で振れ」などは実際の動作とは違く、勘違いされている事が多い

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