あなたはどっち?バッティングの体重移動方法とタイプについて

こんにちは!JBS武蔵の下です。

今回の記事ではバッティングでもとても重要な事である、

「体重移動」について

お伝えしていきたいと思います。

体重移動はバッティング動作の中で
大きな役割を担っています。

ですが、

・どうやったらいいかわからない
・具体的にどうしたら体重移動になっているのか?
・自分に合った体重移動がわからない

というご相談は良く受けます。

回の記事では、
体重移動の方法からそのメリット、
体重移動のタイプなどをお伝えしてければと思います。

動画もありますのでそちらも合わせてご覧頂くと、
理解が深まると思います。(2つあります)

動画はこちらから↓↓


両方合わせてご覧頂けると、
知識バッチリになると思います(笑)

バッティング体重移動の方法

まず、
体重移動の方法についてお伝えしていきます。

「前に体重をぶつける」

とイメージはあるかと思いますが
その動きを理解しておかなければ、
選手へ指導する事もできないですし、
取り組む選手も間違った理解のまま進んでしまいます。

今回は4つに動作を分解してお伝えしていきます。

①タメの動作(軸足股間節の内旋)

まず最初はいわゆる「タメ」の動作です。

一般的に「タメ」と言われますが、
これは体重移動の前に力を蓄えるイメージです。

そもそもこのタメの動作がないと移動できるだけの
力がないのでスイングも強くそして正確になってきません。

このタメの動作は
「軸足股関節の内旋」
という動きになります。

写真をご覧ください。

写真の様に軸足の股関節に「シワ」ができる様にしていきます。
股関節に乗せる事がポイントです。

この時に「シワ」ができない場合は
太ももや膝に体重が乗ります。
この場合は膝がつま先を越えてしまいます。

そうなると、正確に体重移動がしにくくなります。
骨盤が前を向きやすくなるので
「体の開き」「泳ぎ」「突っ込み」
などの原因にもなります。

また一つの目安としては、
「タメ」の動作の時に、
足首、膝、股関節がある程度直列になる事が
タメの動作ができている1つの目安になります。

②並進運動(軸足の外転・動作)

タメを作ったら、
次は並進運動という動きが入ります

並進運動はステップ時に、
ピッチャー方向に進む動きを言います。

これによりタメで作ったエネルギーを
ボールへ伝えていく準備をしています。

並進運動はエネルギー的に見ると
大きい方が力は発揮しやすいです。

ただあまりにも大きいとインパクトの際の、
正確性が損なわれます。

なのでどれくらい並進運動をいれるかは、
個人差があります。

例えば、
ソフトバンクの柳田選手などは
並進運動がとても大きいですね。

また並進運動時には先ほどのタメの動作で行った
・軸足股関節の内旋
に加え、
・ステップ足の内旋:少しねじる感じ
(前足エッジを効かすなどと言われます)
をしておく事が必要です。

少しややこしくなってきましたが要は、
「タメた力を抜けないようにしてステップする」
事です。

前足も内旋させておくとタメの力は抜けにくいです。

③軸足→前足へ支点移動(骨盤のスライド動作)

次はステップから(ステップをしながら)、
前足へ体重を移動させていく動きです。

ステップ後、もしくはステップをしながら
骨盤は横に動きつつ支点を前に移します。

この動作により前足に支点移していきます。

述しますがこの支点移動の動作が、
体重移動での多くのメリットをもたらしてくれます。

時間にするとわずかな時間ではありますが、
重要な動作になります。

④前足軸回転

4つ目の動作は「回転」になります。

体重移動の動作と切り離しても良いところではありますが、
ここまで包括して説明しておいた方が理解が深まりやすい為
お伝え致します。

3つ目までで前足で
「タメ→並進運動→支点の移動」
という所まできたら後は回転をします。

実際に回転動作がしっかりとできる事で、
前足にすべて体重が乗りきる事になります。

必要な動作としては、

・軸足股関節を回す(内旋させる)
・前足を伸ばす(伸展させる)

という2つの動きがこのフェーズでは必要な動作になります。

前足を伸ばす動きが骨盤(腰)が鋭く回転していく為に、
大切な役割をしています。

前足は支点の役割になるので、
膝が曲がった状態であったりすると回転時に、
膝も一緒に動いてしまいます。

これでは鋭く回転していく事ができないですね。

軸足は回す(内旋)事によって実際に回転しています。

偶力も働き回転をしていきます。

いかにこの2つの動きを作っていけるかが
回転速度に影響していきます。

また前足は足首・膝・股関節の3つの関節が、
直列になっている事も必須です。

3つの関節が直列になってくる事で
最大限支点としての機能を果たしてくれます。

体重移動はなぜするのか?そのメリット

ここからはなぜ「体重移動」をするのか?
そのメリットについてお伝えしていきます。

①前提として:バットの軌道は何が適切か?

体重移動のメリットとして
「バットの軌道を正確にする」
事が挙げられます。

ピッチャーからリリースされたボールは、
約5°〜10°ほど沈みながらバッターへ到達すると言われています。
(プロの場合なので少年野球などではもっと角度があると思います)

なのでよりバットとボールのコンタクトする確率をあげていくには、
「ボールの軌道にバットを入れていく事」
が求めれます。

よくレベルスイングやフラットスイングと言われますが、
これは、
「ボール軌道に対して」
が基準になります。

良く勘違いとしては多いのは、
「地面に対して」
となる事が多いです。

地面に対してと見るとややアッパースイングが、
ボールの軌道に対してはレベルスイングになりますね。

理想のスイング軌道は、、
バットとボールとコンタクトを広く・多く・長くし、
ボールの軌道にレベルなスイングをする事。

これが目指していくスイングになります。

まず前提として上記の事が必要になります。

②レベルスイングの実現

では、
どうしたらレベルスイングになるでしょうか。

この実現に大きな役割を果たすのが、
軸足→前足へ支点移動(骨盤のスライド動作)
が担います。

その動作によりボールの軌道へ入りやすくなります。

骨盤のスライド動作によって、
トップの位置からグリップは少し下がってきます。

わずかな動作ですが、
この動きがとても大切です。

この動きによってボールの軌道へ、
バットが入りやすくなります。

支点の移動がなくスイングがされる場合は、
極端なダウンスインングやドアスイングなる事が
多くなります。

当然、ミートの確率は著しく低下します。

③インサイドアウトのバット軌道

骨盤のスライド動作は、
「インサイドアウトのバット軌道」
を作る事にも役割を担ってします。

先ほど、
グリップが少し下がってくると説明しましたが
この動作によってインサイドアウトのバット軌道も
作りやすくなります。

インサイドアウトのバット軌道は、
各コースへのボールへの対応力を高めてくれます。

インサイドアウトでは手首の動きを極力使わない事で、
バットが出てきます。

これによりいわゆる、
・ヘッドが残る
・バットがしなる
などの状態になりバットヘッドは後から出てきます。

最後にヘッドが返っていくので、
どのコースにも対応しやすくなります。

また、バットヘッドが残るので
ボールを見る時間も長くする事が可能です。

ボールへの対応力もあがりますね。

インサイドアウトのバット軌道と言いましたが、
これはスイングが加速する局面までの話になります。

極端なアウトステップやインステップでない限り、
実際にはこの様なスイング軌道になります。

正確に表現すると引っ張る方向の打球に関しては、
「インサイドイン」の軌道になります。

バットが加速する局面までがポイントとなります。

効率的に加速をさせる為、また対応力を上げる為に
「インサイド」の局面までが重要な点となります。

俗に言うドアスイングは、
「アウトサイドイン」のバット軌道になりますが、
後ろ手の手首が早く動きヘッドが返ってしまいます(手首のアンコック)

後ろ腕全体も早く伸びてしまう為、
ボールの外側にバットが当たりやすく
引っ掛けてゴロになる事がほとんどです。

アスイング防止の為には、
インサイドアウト(イン)のバット軌道が必要となります。

確にミートをしていく為には手首の動きは使わずに、
インサイドアウト(イン)のバット軌道を作る事が必要です。
(ここでの説明は省略しますが手首は自動的に返ります)

体重移動により力を効率的に伝える

次に下半身の使い方ができた、
体重移動のメリットは
「ボールへ伝える事ができる」
という事です。

その理由についてお伝えしていきます

①バットの軌道と肩の回転面の一致

スイングをしていくと、
・バットスイングの回転軌道(面)
・両肩を結んだラインの回転軌道(面)
ができます。

面と言いますか、円盤ができますね。
(イメージで実際には円盤にはなりません)

このような感じです。

の2つのの回転軌道を合わせてあげる事で、
ボールに効率よく力を伝える事が可能です。

この回転軌道を作っていくのも、
支点移動の動作が影響しています。
(それだけではないですが)

良く野球指導では、
・肩を下げるな
・上から叩け
・最短距離で振れ
と言われますね。

これはまとめると、
「肩を地面と水平(平行)に回してスイングをする」
という事になります。

するとこのようになります。

これでは肩の回転軌道とスイング軌道が一致しないですね。

力を効率よく伝える事ができません。

またボールの軌道は下がってきますので
「的確に捕らえる」
という点からも好ましくありません。

②運動連鎖の実現(連動性のあるスイング)

次は「運動連鎖」というものです。

支点の移動をした際に骨盤部分は、
少しピッチャー方向に進んでいます。

これにより体に「捻れ」が出来ます。

人間の筋肉は「ゴム」と同じ作用があります。
ゴムは伸びたら勢いよく縮みますね。
これを伸張反射と言います。

支点を移動すると体にズレ(捻転差)が出来ます。

このズレ(捻転差)により筋肉は伸ばされたり捻れたりします。

回転をしていくとこのズレが元に戻ろうとします。

これにより身長反射の作用をつかって
回転速度をあげる事ができます。

回転をしていくと上に行くにしたがってどんどん各部位が
「ズレと戻り」を繰り返します。

これが連動しているという状態です。

良く
・腰をいれる
と言われますが、
その正体はこの支点の移動と運動連鎖を
使ったスイングを感覚的に表したスイングの事だと思います。

③回転半径が小さい事で加速する(慣性モーメント)

次は聞きなれない慣性モーメントという言葉です。
物理や力学で使われる事が多いかと思います。

簡単言うと
・回転半径が小さいと加速する(バットの動きに無駄がない)
・回転半径が大きいと加速しない(バットが大振りすぎる)

くらいの感じでいいと思います。

インサイドアウトのバット軌道で、
後ろの手は胴体に近い部分を通っていきます。

つまり回転半径が小さいのでバットは加速しやすくなります。

に大振りやドアスイングであれば回転半径が大きくなり、
バットの加速はしにくくなります。

体重移動の動作によってインサイドアウトも、
できるようになるので回転半径も小さくで済みますね。

最後は腕が伸びていきますので回転半径は大きくなってきますが、
最初から回転半径を大きくしてしまうと、
バットの加速はしにくくなります。

必然的にスイングスピードは遅くなり、
力を伝える事もしにくくなります。

バッティング:体重移動にはタイプがある?

スライド型と回転型

次に体重移動のタイプについてお伝えしていきます。

スライド型と回転型と呼んでいます。
軸足から前足へ支点を移動していく方法に違いがあると
考えています。

スライド型は骨盤の横移動(スライド)が
大きく使って支点を移動していくタイプです。
これによって体のズレ(捻転差)をつくります。

回転型はあまり骨盤の横移動(スライド)を
大きく使いません。

回転をやや早めに始め、
前足を支点移動を回転しながら行います。

この時にトップが残ることで体のズレ(捻転差)をつくっています。

どちらも変わらないのは、
・前足に支点を移動する事
・体にズレ(捻転差)をつくること

この2つになります。
どちらのタイプでもこの2点は抑えておくポイントになります。

こちらの画像でも違いがわかります。
左の選手が回転型、右の選手がスライド型です。
(画像が動きます。動かない場合はタップしてください。

回転型とスライド型の大きな差

回転型の体重移動とスライド型の体重移動の大きな差は、
「始動の違いにあります」

下記画像をご覧ください。
(画像が動きます。動かない場合はタップしてください)

左が回転型の選手、右がスライド型の選手です。

①ピッチャーが足をあげた時点
この時点でスライド型選手はステップ足が動き始めています。
②ピッチャーが足をおろした時点
スライド型の選手はステップに入る動きになっていますが
回転型の選手はまだほぼ始動していません。
③ピッチャーのリリース時
回転型の選手はようやく始動しスイングを行います。

もちろん球速や投手の違いはありますが、
大まかな比較としては成立します。

回転型の選手の方が明らかに始動が遅いです。
これは回転型の特徴として
「始動からスイングまでに時間がかからない」
事を意味しています。

先述した通り、
回転型もスライド型も「捻転差」をつくってスイングしますが、

回転型→前足に支点を移動しながら捻転差をつくる
スライド型→支点を移動時に捻転差をつくり回転する

違いがあります。
なので動作を回転型は一気にやっている事になります。

これによりフォームを作るのに時間をかけない事が可能になり、
始動を遅くする事が可能になります。

最近では150km/hを超すピッチャーが当たり前になり、
ツーシームや高速変化球、ストレートに近い変化球なども多用されています。

より時間がかからない回転型は始動が遅くできるメリットがあるので、
ボールを見る時間が長くとれます。
海外選手に回転型が多いのはその傾向によるものかもしれませんね。

とはいえ、
どちらが優れているという事はないかと思っています。

大切なのは、
「どちらが自分に合っているか」
「現状の問題に対してどうフォームを変えていくか」
という事になります。

左右で体重移動の仕方に違いはある?

 

左はスライド型?右は回転型?

次に体重移動について、
『左右に違いはあるのか?』

という事についてお伝えしていきます。

これはまだ仮説段階ですので、
わからない部分もありますが現時点での
仮説をお伝えしていきます。

左バッターと右バッターと違いを比べてみます。

画像からもわかる通り、
左バッターの方が身体の角度がより反っていますね。

これは移動の方法の違いがあると考えています。

仮説1:内臓の重さの違い

人間の臓器は通常であれば右側に重さが偏っています。
なので生まれてから
「右側の重さとバランスを取るために左側に重心をおきやすい」
という考え方があります。

そうなると左バッターの場合は、
「キャッチャー側に重心がかかりやすい」
という仮説が立ちます。

これを基に考えると、

・左バッターはキャッチャー側に傾きやすい
・右バッターはピッチャー方向に重心がかかりやすい

という事になります。

仮説2:横隔膜が左右非対称

仮説2としては、
「横隔膜が左右非対称」
という説があります。

横隔膜に着いている腸腰筋群は、
骨盤の動きに関係している筋肉です。

つまり横隔膜が左右非対称という事は作用する力も、
変化がある可能性があります。

この横隔膜と腸腰筋群の作用によって、
やりやすい移動の方法があるのではと考えています。

仮説3:その他の検討材料

その他に考えている事は、
・地軸の傾きが与える影響
・北半球と南半球の違い

などを考えています。

そういえば、
台風の回転の方向も北半球と南半球で違いがありますよね。

陸上は必ず左回りですが、
北半球と南半球で記録の出やすさが違う
という話もあります。

らく1つの要素だけではないとは思いますが、
それぞれが何かしらの影響をしている事は、
間違いないと思います。

引き続きこちらは学びを深めて参りますので、
また考察できましたら発信させて頂こうと思います。

仮説①〜③を踏まえると、

・左バッターはスライド型が適している
・右バッターは回転型が適している

という仮説が立ちますね。

体重移動でやってはいけないフォーム

体重移動の際に、
やってはいけない(正しく移動できていない)事を
いくつかお伝えしていきます。

①身体のズレがない(捻転差ができない)

一番重要な点としては身体のズレを作れない事です。

この場合は、胴体がズレずに前に進んでしまうので、

・頭が突っ込む
・バット前に出る
・身体が開く

などバッティングのフォームが大きく崩れます。

正確にコンタクトしてくには、
この身体のズレ(捻転差)を作る事は必須になります。

②軸足を支点に回転する(拇指球ターン)

もちろんですが、
支点の移動ができずに軸足回転をしてしまう事はよくありません。

軸足回転をしてしまうと、
力の効率も極端に落ちますし極端なダウンスイングになりやすいですね。

「軸足で踏ん張って打てー」

とよく言われますが、
理にかなったフォームではありません。

いいバッターほど軸足で回転するのではなく、
インパクト時には体重が前に乗っています。

軸足回転は絶対にご法度

軸足回転は私たちの相談を受ける中でも
多い事の一つで残念ながらまだ根強く残っている事です。

足回転については、
いい作用はほぼありません。

声を大にしてお伝えした事でもあります。

こちらのリンクでそちらを説明していますので、
ご覧になってください。

バッティング:軸足の間違った使い方。軸足回転でのバッティングフォームへの弊害

どちらがいいかは個人差がある

先ほど左右によって適している方法があるのでは?
と仮説を立てましたが実際のところは個人差があると思います。

たちのスクールでも
右バッターでスライド型もいれば、
左バッターで回転型もいます。

結局のところはやりやすさは個別的な事もあったり、
仮説の事が影響していたとしても、
その影響具合は個人差があります。

お伝えしたいのは、
「体重移動のタイプがある」
という事ですね。

バッティングはある程度原理があります。
なので共通した動きが存在しています。

そこを抑えていった上で、
後は自分なりの感覚やコツというものを
見つけて行く事が大切ですね。

形にこだわりすぎる事も良くない事ですが、
常に向上心を持ってプレーして欲しいと願っています。

この記事が参考になれば幸いです^^

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