こんにちは!
JBS武蔵の河合です。
こないだ私の友達が初めて本を出版して、その本を読んでいました。
『会食恐怖症を卒業するために私たちがやってきたこと』 山口健太 著
山口さんは、高校野球部によくある「食トレ」がめちゃくちゃきつかったみたいなんです。
もともと山口さんは食が細くて、量を食べるのが他の子と比べると難しかったんですね。
それでも食事のトレーニングによって、入学当時より13kgの増量に成功しました。
ある日、野球部の合宿で朝2合、昼2合、夜3合のご飯を食べるという試練がありました。
私語厳禁で、食べられなきゃ怒られるという不安もあり、緊張しすぎて食事が喉を通らず、
食べきれなかった。
案の定、監督からみんなの前で、大声で怒られた。
その結果、会食恐怖症という症状を発症してしまいました。
「会食恐怖症」とは、人前でご飯を食べることに対して耐えがたい不安や恐怖を抱き、
実際の会食の場面では、吐き気、めまい、胃痛、動悸、嚥下障害、口の渇き、身体の震え、発汗、顔面蒼白、呑気、緘黙など、様々な症状となって現れてしまう心の疾患です。
野球というスポーツに置き換えると、試合などの結果がともなうので少なからず不安や緊張はあるはずです。
その緊張や不安が極度に強くなったり、恐怖を学習する体験がある場合に同じような症状になるのかなと思います。
それは、試合前になると吐き気がしたり、胃痛で悩まされたり、イップス症状に悩まされたりというのも、極度の不安や緊張、それに伴う恐怖が原因になっていると感じます。
該当する子は、「失敗したらダメだ」「三振したら指導者に怒られる」など、恐怖に感じながらそのような症状を抱えています。
私たち大人にできることは、人それぞれ得意、不得意があり、一般的な基準や誰かと比べてその子を評価しないということです。
山口さんの例で言えば、監督さんが、選手一人ひとり違う人間で食べられる量もみんな違うという判断ができれば、
みんなの前で大声で怒鳴るという行動をとらなかったのではないでしょうか?
それは、野球の技術もそうで、その子にとっての次の一歩を見てあげるのが最も大事です。
誰かと比べてうまい下手という基準で評価してしまうと、野球というスポーツ自体を嫌いになってしまう可能性もありますね。
大事なのは、その子がどうなりたいのか?何に憧れ、何に理想を持つのかをコミュニケーションをとりながら指導することだと思います。
その子にしかない個性を、その子なりの表現を大切に。
こうしなきゃダメ、こうしてはいけないではなく、
では本当はどうしたいのか?、どうだったら嬉しいのか?を大切に。
できなかったことではなく、できたことを評価する。
僕ら大人は、減点方式で評価しがちです。
どんなに失敗しても、どんなにダメなことだと思うことがあっても、その子自体の価値、すばらしさは変わらないのです。
その素晴らしい部分に焦点を当て続け、安心感のある中で野球ができるようにすることも、私たち大人の務めだと思います。
この本にはたんに会食恐怖症という症状を克服するための取り組みということだけではなく、以下のような事も学べます。
・自信をつけるための考え方
・様々な物事に取り組む際の「適切なトレーニング」のコツ
・「フロー状態」でいるための習慣を身につける方法
ぜひご一読をおすすめします。
『会食恐怖症を卒業するために私たちがやってきたこと』 山口健太 著