なぜイップスは発症するのか?その原因解説&3つの症状改善練習

こんにちは!

今回は多くの選手が悩んでいるイップスということについて、
書いていきたいと思います。

今回のブログでは動画もありますので
そちらも併せてご覧になってください。

動画はこちらから↓↓

イップスは諸説ありますが、この記事で少しでも
参考になり克服や改善してしてもらえると幸いです。

私たちも指導をしていく中でイップスという
症状に悩まされている人にお会いすることがあります。

イップスはその選手にとっては深刻な問題で、
強く悩みを抱えている方が多いです。

例えばイップスにはこんな症状があります。

・近い距離が投げれない
・簡単な送球ができない
・バント処理の後ファーストまで投げれない
・牽制ができない
・ゲッツーが取れない
・キャッチャーの送球ができない
・ピッチャーの返球ができない
・外野からバックホームに投げれない
・外野から中継まで投げれない

多くは投げることに関してですが、
イップス症状として下記のようなこともあります。

・イージーフライが取れない
・特定のバッターにデッドボールを当ててしまう
・ 簡単なゴロが取れない
・バットが振れなくなる
・ボールが来ると足が止まってしまう

など個人によって症状は様々ですが
上記のようなことがあります。

イップス症状のほとんどは通常であれば
簡単にできることがほとんどです。

ただイップスを発症してしまうと
その簡単なことが困難になってしまい
通常通り体が動かなくなってしまいます。

イップスの症状:イップスとは?

まずそもそもイップスとは何かをお話ししていきます

イップスとは特定の状況に応じて、
発生する運動障害のことを言います。

症状は先ほど書いたような事が起きます。

イップスは特定の状況で起きるので
その状況にならない限りはほとんど発症することはありません。

そのため通常の状況では通常の動作や行動ができますが、
その特定の状況になった時のみ症状が出ます。

イップスの原因

イップスの原因について説明していきます。

イップスが起こる原因は脳の仕組み的な問題があります。

人間も含めて生き物の本能として危機的状況に陥ると、
三つのパターンの選択をすると言われています。

1つ目は「逃げる」
2つ目が「戦う 」
3つ目が「硬直する」

危機的状況というのは、
自分が困難な状況になったり、
辛いことがあったり、大きな悩みがあったり、
そういったことをまとめて危機的状況と言います。

例えばですが、
身近な問題として学生がテストがあったり、
社会人の方であれば仕事がとても忙しいと言う時もあると思います。

そういった危機的状況になった時に
人間は3つの選択のどれかをします。

学生がテストをあきらめてしまうというのは
「逃げる」という選択肢になりますし、
社会人の方が怒られて何も出来なくなってしまうのは
「硬直する」という症状です。

野球で言えば監督に怒られてしまうということも
硬直するということになるかもしれません。

戦う選択としては
テストを頑張る、仕事で困難な壁を乗り越えようとしたり、
監督に怒られても食いしばって頑張る。などは
「戦う」という選択になります。

イップスは危機的状況になったときに
無意識的に硬直するという選択を取ります。

この硬直する選択を取った時に、
体がうまく動かなくなり送球や通常の動作が
できなくなる事でイップスが発症します。

なぜ危機的状況になるのか?

イップスは危機的状況になったときに発症します。

一度ミスをしてしまったりすると、
そのミスが強い記憶となります。

特に簡単なプレイに関してミスをしてしまうと、
自分を責めてしまい強い記憶として残ります。

その強い記憶が同じ場面が来た時に、
危機的状況として脳へイメージされ
フラッシュバックします。
そこから
同じように硬直するという選択を取ってしまいます。

これがイップスの原因と脳の仕組みから起こる流れです。

また危機的状況は、
視点が固定されることで起こりやすいと言われています。

例えばバントの処理でファーストに
投げれないピッチャーがいたとします。

捕球後にファーストの方に体を向けると思いますが、
ファーストへ向いた時に
「エラーを押してしまった時の記憶」
が脳へイメージされます。

目と脳は繋がっており強いリンク性があります。

同じような場面を視覚からの情報で得ることで無意識的に
前回の危機的状況を作ってしまいます。

これにより視覚から危機的状況を作ってしまい、
イップスの症状が出やすくなります。

フォアボールを連発して出してしまう場合も同じです。
ピッチャーはキャッチャーへ投球をするので、
連発してミスをした記憶がフラッシュバックし、
危機的状況になります。

危機的状況になってしまうと
硬直の現象が出て却ってコントロールが悪くなります。

脳は否定形を認識できない

脳は否定形を認識できないと言われています。

野球で指導者から
「高めを振るな」と指示を受けたとします。

脳は否定形を認識できないので、
「高めを振るな」と指示を受けても、
自分のイメージでは
「高めを振ってしまう自分」
をイメージしてしまいます。(無意識的の脳はそう判断する)

このイメージにより、
指示とは逆の行動を取りやすくなってしまいます。

点を取った後に
よく取り返されるということもあると思いますが、
これも点を取った後に
「点を取られてはいけない」
考えてしまうことで
逆に点を取られているという状況をイメージします。

なので、そのイメージが現実化に繋がります。

怒られば怒られるほどうまくいかなくなってしまうのは
脳は否定形を認識できないということと、
危機的状況をフラッシュバックしやすくなってしまうという事が
脳の仕組みから起こります。

ちなみに高めを振るなというのはそういった指示を出すのではなく
「低めを振っていこう」
と指示すると良いイメージがしやすくなります。

イップスを克服する為に選手・指導者が必要な事

ここからはイップスを克服するために
必要な考え方を話していきます。

1:失敗を許容する(セーフティネット)を引く

まず一つ目は失敗を許容するということが必要になります。

多くは失敗してしまったその結果から、
ミスを記憶してしまい危機的状況になります。

そのため選手としては結果が全てだと考えず、
失敗を許容する事や完璧を求めすぎず
セーフティネットを引くことが重要になります。

ある意味開き直るということが必要なのかもしれません。

これは選手だけでなく指導者の方もできることです。

選手は結果を出そうと当然必死にプレーをします。
ただそれだけにフォーカスを当ててしまうと
選手は苦しくなります。

指導者としてはミスや結果が出ないとしても、
その選手の良いところを見てあげる
ということが必要になります。

チームの雰囲気作りも指導者の方は
重要な仕事の1つではあると思いますが、
そういった雰囲気づくりや、声のかけ方ひとつで
選手は大きく活躍したり、そうでなかったりします。

これは指導者だけでなく保護者の方ももちろん同じです

2:結果評価から過程評価へ

結果というのは不安定なもので
出るときも出ないときもあります。

結果というのもあくまで状況の一つなので、
自分でコントロールできるものではありません。

結果を出すためには過程があると思いますが、
その過程は自分でコントロールできるものになります。

プレイヤーとしては結果が欲しいとこではありますが、
コントロールできないことに意識を向けてもその状況によって、
メンタルにばらつきが出ます。

なので結果ではなく
「過程に意識を向ける」
ということがまず必要になります。

結果が悪くても、
「過程を全力ですること」
はコントロールできることで、
野球スキルや能力には関係のないことです。

誰かと比べたりとか、そういったこともする必要がなく
いかに自分がどれだけ過程へコミットできたか、
その点が大きなポイントになります 。

他人を軸にするのではなく、
自分を軸にして考えるということが
必要になります。

過程へ全力を尽くすことは
できる自分のイメージができやすくなります。

そうすることで危機的状況も回避しやすくなります。

イップスになってしまった選手がやることは
良いイメージを作り上げていくことです。

それを繰り返すことによってイップスは改善されていきます。

イップス症状が出やすい人の特徴

イップス症状が出やすい人の特徴が2つあります。

1つは「真面目な人」です。
真面目な人の場合、責任感が非常に強いので自分で何とかしようと
する傾向があります。

その責任感は非常の良い事ではありますが、その反面
「自分が何とかしなくてはいけない」
と○○してはいけないとと過度に自分にプレッシャーをかける事になります。

そういった選手は「危機的状況」に陥りやすく、
イップス症状が出やすいと言われています。

2つ目は「イメージ力が高い人」です。

これは大きな武器にもなるのですが、
イメージ力が高いが故にデメリットもあります。

イメージ力が高い人は、
「エラーをしてしまった記憶」
が強く残りやすいので危機的状況をつくりやすくなります。

なので、そういった場合はこういった知識を入れておく事で
マイナス面の事へ対処していく必要があります。

イップス克服する練習メニュー

イップスを克服する練習メニューをご紹介していきます。
※動画に練習メニューがありますので、そちらもご覧ください※

1:バックステップスロー

1つ目はバックステップスローという練習です。

イップスの選手で多い特徴は腕で修正しようとすることが多いです。
このバックステップスローでは「腕を振る」という感覚ではなく
「腕が振られる」 という感覚をつかむ練習になります。

後ろにステップしながらボールを投げる練習ですが、
後ろにステップしていくことで
腕が振られるという感覚がつかみやすくなります。

2:肘上げドリル

2つ目は 肘上げドリルです。
先ほども説明しましたが、イップス選手の多い特徴は、
腕でコントロールをつけようとすることが多いです。

また手先で投げようとするので極端に手投げになっています。

それにより肘が下がってしまい押し投げや、
なでるような投げ方になることが多いです。

肘上げドリルではそういった選手向けに
肘が下がらない練習となっています。

一度投げる姿勢を作ります。

投げる姿勢を作った時にグローブは体のラインの外側に持って行きます。

スローイングの際にはグローブは肩の高さまで持って行き
そのグローブより肘が下に下がらないように投げていきます。

※詳しくは動画をご覧になってください※

3:目切りドリル

3つ目は目切りドリルです。

目切りドリルは視点が固定化されて
危機的状況フラッシュバックすることを回避する練習です。

ピッチャーであればあげる前にサード方向へ目を切ります。
これによりエラーした記憶のフラッシュバックを回避しています。

サード方向に目は切りますが、
当然キャッチャーへ投げるので、
なんとなくキャッチャー方向へ目標を意識しておきます。

実際に体重移動が始まり投げる時に
キャッチャー方向を向き投球をします。

こちらも詳しくは動画をご覧になってください。

余談:プロでイップスになった選手の話から

余談になりますが私の知り合いで
プロ野球選手がいます(現在は引退しています)

その選手は大学時代にかなり活躍をしました。
当時の大学記録なども作った選手で、
ドラフト上位でプロの世界に入りました。

残念ながらプロの世界では
大学時代ほどの活躍はできずに引退をしました。

その選手と話していた時に
まさしくそうだと思ったことがあります。

その選手は大学時代に指導者から
「フォアボール OK」
「 ランナーを出しても抑えれば OK」
「 試合に勝てば OK」
という風に指示を受けていたそうです。

これは最初に説明した
「失敗を許容するという」
環境が整備されていたということになります。

またセーフティネットが引かれていたということにもなります。

プロの環境では結果が全てというところもあるので、
なかなかそうはいかなかったかもしれませんが、
その選手と話していてプロで活躍できなかった
一番の理由はそのように話していました。

それだけ一流の選手でも、
少しの考え方や環境づくりによって
大きく活躍できたりそうでなかったりします。

能力を発揮するためにも、
選手自身の考え方もそうですし、
指導者側や保護者が環境を作ってあげるということが
非常に大切なことになります。

その選手もプロの世界でイップスを発症しました。

いかに環境の大切さを表した事例だとも言えることができます。

イップスは克服できる

イップスはうまく付き合い対処していく事で
症状を改善する事ができます。

周りの目が気になったり、誰かに何かを言われるではないか?
と1人で考えふさぎ込んでしまう事が重症化を招きます。

JBS武蔵ではそういった方達の力になる為にも
LINEで相談をしてしております。

どこまで力になれるかわかりませんが、
辛くてどうしようもないと言う時は、
一度ご相談をお待ちしております。

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(検索ID:@vkn9218e)

 

まとめ

・イップスは特定の状況で起きる運動障害の事
・人間は本能的に危機的状況になった時に「逃げる」「戦う」「硬直する」
という3つの選択をする
・イップスは危機的状況になった時に「硬直する」選択をとる
・脳は否定形を認識できず、結局悪いイメージがつくられる
・イップスは「失敗を許容する」「結果評価から過程評価」へする事がポイント
・指導者も保護者も環境つくりが大切
・イップスは克服できる

 

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