こんにちは!
スポーツや野球はチームワークがとても必要ですね。
環境が人の力を上げるといいますが、
チームワークによって個人の力がしっかり発揮されますし、
個人の力が発揮される事でチームワークも良くなります。
いいスパイラルはそうして出来上がっていきます。
「いや試合負けたけど俺は打ったし」
というのは個人目標としては有りかもしれませんが
その発言がチームに肯定的な影響を与える事はありません。
個人の成績を満たせば、俺は関係ない。
という考え方はチーム全体には不協和音を生みます。
指導者の方と話していても「チーム作り」に関して
悩んでいる方が多いように思います。
チーム名は伏せさせて頂きますが私たちはご縁あって
甲子園出場高校の外部コーチや、
中学硬式チームで全国大会レベル実績を持つチームの
指導もしています。
少年野球でも時々外部コーチをさせて頂き、
全国大会に出場する事もできました。
そういったチームではどういった事を意識して、
チーム作りをしているのか。
勝ち続けるチームは例外なく、
選手たちが自ら考え動いています。
そういったチームを作っていくには
どういったステップを踏んでいけば良いのかをご紹介します。
すべてご紹介するのは難しいですが、
チーム作りの核なる部分をお伝えしていきたいと思います。
是非ご自身のチーム作りや、親御さんたちは
ご参考にして見てください。
常勝チームを作りあげる為に少年野球の監督(中学・高校)がやるべき5つの事
ステップ1:前提条件の共有
まず最初にやる事はこの「前提条件」の共有です。
チームの目的は何なのか、
指導方針はどういったものなのか、
選手たちにどうなって欲しいのか、
保護者の協力体制はどの程度関与するのかなどです。
誰のために、何の為にチームが存在し、
そしてその目的や目標に向かい、
監督をやるべき事、
保護者がやるべき事、
選手がやるべき事の役割、
などが明確になっている事が大切です。
またそれぞれがしっかり機能する為に、
役割に対してコミットしていく事も重要になります。
チームの根本となる部分を
監督やコーチ、保護者、選手と共有していく必要があります。
子どもの才能がメキメキと伸びる!「最高な少年野球チームの作り方」
↑↑こちらの記事に詳しく書いていますので、
前提条件の部分はこちらをお読み下さい。
最初の「前提条件の共有」が一番労力がかかります。
ですが、この根本の部分が土台としてない限り
トラブルが多くなります。
例えば、
チームの采配が・・・、
あの人はチームにちっとも協力しない・・・、
指導方針が合わない・・・、
監督を信頼できない・・・、
監督も保護者を信頼できない・・・、
となってきます。
暴言、批判、体罰、采配、ひいき、などのトラブルは
残念ながらまだ起こっています。
多くの場合は監督・保護者・選手の三者での
「考え方の違い」から起きます。
小さな事がやがて大きく膨らんでいき、
信頼関係が築けなくなってきます。
まず、時間をかけてこの「前提条件の共有」を
しっかりしておくと多くのトラブルは未然に防げます。
理念やビジョン、自分の想いをしっかりと
伝えていく事が必要です。
つまらない大人のエゴのぶつかり合いが、
子供達の為にならない事がほとんどです。
ステップ2:命令(指示)型組織
前提条件の共有が出来てきたら、次のステップです。
まだこの段階ではほぼ監督が選手に、
「命令(指示)」をする形をとります。
「命令(指示)」というと言葉が悪いかもしれませんが、
まだ、監督の価値観や考えが完全に浸透しきっていません。
なのでここでは行動の判断基準や
指標をつくっていく為にも、
1つ1つ細かく監督が全体に向けて指示をしていきます。
何事も「暗黙の了解」や「当たり前の風土」ってありますよね。
例えば、
・道具はしっかり揃える
・グランドに来たらまず○○をする
などチームによってあると思います。
道具を揃えるのが何の意味や意図があるのか?
それを監督は選手に伝えていきます。
そうする事でチームとしての
「雰囲気」や「チームの価値観」が浸透していきます。
これができていないと、
・早く道具を整理しなさい!
・みんなはもうキャッチボールしているぞ!
・遊んでないで今やる事やりなさい!
なんて怒鳴り声をあげなくて済みます。
やはり多くは「次、何をしていいかわからない」
という状態で、行動に移せないという事が多いように思います。
こちらも根気がいる事ではありますが、
選手が自立して考える選手になる為に、
基礎的な価値観と判断基準の土台として必要なステップです。
『監督→全体』に向けて監督の考えを
浸透させていく段階になります。
ステップ3:指示待ち型組織
次のステップは、
監督はキャプテン(副キャプテンなど)に対して指示をする組織です。
キャプテンは監督からの指示を、
他のメンバーに伝えていきます。
まだキャプテン以外の選手に自主性は生まれてきません。
「監督なんて言ってた?」
のような感じをキャプテンに聞いてきます。
ここではまだ、
「監督→キャプテン→他の選手」というように
指示をしていきます。
例えば試合当日に、
「12時から試合だから10時からアップ開始する。11時に一度着替えてそこから捕食ね。11時15分にはグランドに入ってキャッチボールするからね」
の様な感じで、あくまで「行動」を指示していきます。
監督はキャプテンの指示が正確に通っているか、
指示通りに選手たちが行動できているかを基本的に見ます。
段々と続けていく内に、キャプテン以外にも
やる事が理解できてきて率先して動く選手が出て来ます。
ここでキャプテン以外にも副リーダーを数人決めていきます。
副キャプテンももちろんですが、次のステップにいくには
数人の副リーダーが必要となります。
ステップ4:能動型組織
次のステップは能動型組織です。
ステップ3まででキャプテン+複数リーダーがいます。
より多くの選手の自主性と考える力を伸ばしていく為にも
ここで監督は「目的」だけを伝えていきます。
例えば、先ほどの試合ならば
「11時15分にベストコンディションにしてグランド入るよ」
と目的だけ伝えます。
最初の内は、
「その為に何が必要か考えごらん。その上でみんなに伝えてくれ。」
と促す事や、できていたかどうか、考えが合っているか、
フィードバックを細かくする必要があります。
慣れてくれば、それもしなくて良いでしょう。
目的をキャプテンに伝えたら、
複数のリーダー達とそれを「相談」します。
「12時から試合だから、○○時にアップ開始だね」
「ベストコンデジションなら着替えも必要じゃない?」
「お昼の試合だから、試合前に捕食もとらないと」
「○○時からキャッチボールしよう」
などとここでは意思決定ができれば最高ですね。
中々最初は上手くいかないですが、
ここで監督が横やりをいれて
「答え」を出してしまったら結局考える力が身につきません。
監督には忍耐力と我慢が求められます。
また、監督はチーム全体がしっかりと機能して
いるかを注意深く見る必要があります。
またよく選手の自主性を育てようとステップ1・2・3を飛ばして、
この段階に入ろうする指導者がいますが、ほぼ機能しません。
当たり前の価値観や行動基準、模範やモラルといった所が
根付いていない為です。
この段階で自主性を与えてしまうと、
「自由」と勘違いし、明らかに間違った行動をとります。
この組織をつくる為にも前段階があってできる事です。
ステップ5:監督サポート組織
最後のステップは監督サポート組織です。
これは「自分がいなくても大丈夫」という組織にする為です。
選手との間に別の指導者を挟みます。
「ずっと勝ち続けるチーム」にする時には必須の段階です。
何かの拍子で監督を辞める時や、仕事の影響などに
より長期にチームに携われない場合もあります。
こういった時に「自分がいないと回らない」
という状況の場合チーム力が一気に戦力がダウンします。
その為に「自分がいなくても問題ない」
という状況をつくる事が一番指導者としてはレベル
と高い事なのかもしれません。
基本的に別の任せている指導者に権限を与え、
方向性がブレた時にだけ話し合いをします。
また、定期的に指導者には方向性とビジョンを共有する
し信頼関係をより強固にしていく必要があります。
自ら選手達はどんどん考え始める
スッテプ4まで行くと選手達はどんどん、
考え始めます。
自分達なりのベストコンディションや
普段の練習も○○が必要、などと考えが深化していきます。
甲子園や全国レベルのチームの指導者と話していると、
例外なくステップ4までできた、
年代のチームは強いと言います。
持っている才能や実力が他の年代より低くても、
自ら考える事で粘り強さが生まれ、
試合に負けても「負け」から学ぶ事が圧倒的に多いそうです。
その繰り返しがチーム力を上げていく事に
繋がると実感しているそうです。
私たちも見ていてそれを強く実感します。
チーム作りはとてもエネルギーのいるものですが、
一度上手くいくといい循環が生まれます。
子ども達が立派な大人になって欲しいと願っている
保護者や少年野球の監督さん指導者は多いはずです。
できない子供達を非難したり暴言を吐いたり怒鳴ったり、
保護者と監督でお互い批判していても建設的ではありません。
きっと皆本来は同じ願いを持っているだと思います。
ただ、それをうまくまとめられなかったり
少しの齟齬があるだけだと思います。
今回のチーム組織の作り方で
改善される事があるかもしれません。
ぜひ、ご参考にしてみてください。