選手を伸ばす監督やコーチとそうでない方というのは残念ながらいると思います。
選手を伸ばす事のできる監督やコーチは特別な存在なのでしょうか。
私は何もそれは特別な能力があるわけではないと思います。
ほんの小さな「心がけ」と選手を「見る力」があれば誰にでもできる事だと思います。
今回はその事について話していきたいと思います。
まず、選手が伸びていく為には当然ですが「モチベーション」が必要になって
きます。
モチベーションを与えれる指導者には次のような特徴があります。
①「Iメッセージ」を使っている
②姿勢をみる力に優れている
この2点があげられると思います。
それぞれ説明していきたいと思います。
■Iメッセージを使っている
「Iメッセージ」とは英語のIです。「私」という意味です。
人は承認されるとモチベーションが湧きます。これは自己肯定感や自己重要感、自己充足感といった「自分で自分を認める事ができる」ので活き活きと活動できるようになります。
例えば、選手が試合でヒットを打ったとします。その時の表現の仕方として
「良く打った!ナイスバッティング!」
の様に声をかけるとします。これはもちろん普通の事ですが、
実はこれは「YOUメッセージ」と言われています。
表現の主語が「あなた」であり、指導者側から選手への評価となります。
評価をされると、場合によっては居心地の悪いものになります。
特に完璧主義者にはこの表現は気をつけなければなりません。
選手によっては、
「別に普通だし」とか「そんな言われても嬉しくない」と感じる場合もあります。相手がこちらのメッセージに否定的になってしまうと効果が無くなり、逆効果になる事もあります。
それに対し「Iメッセージ」は主語が「私」になります(Weも)
ヒットを打ったとすると、
「いいね!コーチは嬉しいよ!」や「応援してくれた人が喜ぶね!」などが、
「Iメッセージ」となります。
日本ではちょっと違和感があるかもしれませんが、YOUメッセージと違って、評価をしているわけでなく、主語である「自分」や「みんな」が喜んでいる事を表現しているわけです。
この表現をすると、自分の影響力がここで自覚できます。
「自分の活躍によって、喜んでくれる人がいる」
と理解してくるわけですね。
大小あるとは思いますが、
「自分の影響力を認識して自覚できた時」は大きなモチベーションになると考えています。
人に喜んでもらう事、自分の頑張りによって肯定的な影響を与えれるという経験は大きなモチベーションになりますし、本人がとても気持ちがいいものです。
それが大きな人格を形成に役立つはずです。
■姿勢をみる力に優れている
次にこちらについて話していきます。
100メートルを20秒で走れるA君と、10秒で走れるB君がいます。
100回走ったとしてA君が毎回20秒で走るのと、B君が18秒で走るのは全く意味が違いますよね。
結果として競争すればもちろん18秒で走ったB君の勝利というわけですが、
B君が評価されるべきでしょうか。
私は決してそんな事はないと思っています。
走りが遅くとも、A君は常に自分の限界値の20秒で走っているわけなので誰よりも全力かもしれないですよね。
その全力の行為を見逃す事があっては指導者としてはやってはならない事の1つだと思います。
結果だけみた事実は20秒と18秒だが、A君には「全力で走った」という事実が含まれています。
ここで結果だけで評価してしまう事は見抜く力、事実を正確に把握ができていないという事になります。
相手の気づかない事を気づいてあげる。事実をみる事(評価する事)、ここで言えばA君は100回とも全力で走ったという事ですが、「姿勢をみる力」が高く、事実を正しく指導者が評価できれば、
相手は良き理解者として自分を受け入れてくれます。また当然モチベーションも湧いてきます。
相手と信頼関係をつくるにあたって評価する方法はかなり重要なポイントと思います。
本人の崇高な思いや、姿勢を見る事が大切で、
結果だけでない事実を正確に評価し、それを自覚させてあげる事です。
できるだけ多くの個別具体的な事実を正確に集め、それを統合して相手の真実をみてやること。
そういった「姿勢をみる力」というのが指導者には必要なのではないでしょうか。
ただ単に野球が上手くなるのをサポートするだけが指導者ではないと思うんですよね。
指導者は相手がどう成長してできるかという「教育」という視点からもサポーツすべきかと思います。
かなり長くなりましたが、一つの考え方として参考にして頂ければ幸いです。
コメントを残す