俺の育成論

バッティング:「肩は下げるな!」は正しいか?野球の常識を検証!

こんにちは!

今回はバッティングついて、
お伝えしていきたいと思います。

バッティングをしていると
「なんか調子悪いな〜」
「あれ?なんかミートできない」
「今日ダメな日だ!」

なんてテンションが、
千賀投手のお化けフォークか富士急ハイランドのジェットコースター
の様に下がる時がありますね(笑)

ミートを正確にしていくには、
身体の様々な動きだったり、
動作を身につけて行く必要があります。

すべてを今回お伝えする事はできませんが、
・バッティングのミート力をあげる
・調子が悪い日のチェック
・毎日のスイングチェック

などに役立つ内容になっています。

また野球界の定説とされている、
・上から叩いてスイングする
・最短距離でスイングする
・肩は下げるな
についても振れて解説をしていますので、
お楽しみください^^

動画もありますので合わせてご覧になって頂くと、
より理解が深まると思います^^

バッティングでミートを正確にしていくには?

ボールの軌道をまずは知る

まずピッチャー投げるボールの軌道についてです。

ピッチャーが投げるボールは、
「5°〜10°」程度バッターの到達までに、
下がってくると言われています。
(より下のカテゴリーになればもっと大きくなる)

より正確にバットとボールを当てていくには、
「ボールの軌道にバットを合わせていく」
事が求められます。

ここでポイントなのは、
「ボールの軌道に合わせる」
という事ですね。

一般的にスイング軌道は大別すると、
「ダウンスイング・レベルスイング・アッパースイング」
に分けられますが
何を基準にしているかと言うと
「地面」
が一般的に基準にされています。

ボールの軌道は下がりながら来ますので、
地面から見ればややアッパースイングと言う事になります。

ただ、
ボールは高低差や球速・球種によっても変化してきますので、
基準として考えるのであれば
「ボールの軌道」
にした方がよりベターです。

バレルゾーンから見る理想のスイング

バレルゾーンという指標があります。
こちらです。


(ベースボールバイブルオフィシャルブログから引用:http://89bible.com/baseball-progress-2545-2/)

打球速度とその角度の関係性を表しているものです。

少年期ではこれほどの打球速度は出ないと思いますが、
同じ傾向が出ると思います。

正確なスイングをする為の1つの条件

2つの回転面の一致

正確にミートをしていく為に必要な事として、
「回転面の一致」があります。

スイング時に回転をすると、
・両肩を結んだライン

・バット軌道
によって回転の面ができます。
(スイングプレーンと言われる事もあります)

回転の面を一致させる事は、
・力のベクトルを合わせる事になる
・ベクトルが合いスイングがスムーズになる
などのメリットがあります。

高めのボールであれば、
回転面はこの様になります。

また低めの場合はこのようになります。

この、
・2つの回転面を一致させる
・一致させてボールの軌道へ合わせる
これが重要な点となります。

今回は記事では回転面の一致が、
ミートに必要な条件の1つと説明していますが、
ボールの軌道へ合わせる方法については、
こちらをご覧下さい。
↓↓
あなたはどっち?バッティングの体重移動方法とタイプについて

「肩は下がる」のは当たり前

野球界では定説とされている、
・肩を下げないで打つ
ですがここまでご覧になって頂ければ、
肩を下げない限り打てない事がわかります。

仮に肩を下げて打たないとなると、
地面と水平に肩を回します。

高めのボールであればある程度、
バット軌道と一致してくる部分もあるかとは思います。

なのである程度、
地面と肩が水平でも打てる事もあります。

ですが、
より低めを打とうとするとこの様になります。

これでは明らかに打てないですよね。

腕だけ下げる事は物理的にも難しく、
合理的ではありません。

やって頂いたらわかると思いますが、
不自然な身体の動きで、
普通にスイングするよりやりづらい
のがわかると思います。

上から叩いたらゴロにならないし飛ばない

「上から叩けも」同様のパターンです。

上から叩いた場合のスイング軌道は、
ダウンスイングになります。

肩の回転面と合わなくなるので、
合理的なスイングではなくなります。

ちなみにダウンスイングの意図としては、

・叩いてゴロを打つ
・スピンをかけて打つ

という事になると思います。

叩いてゴロ打つという事ですが、
余計にフライがあがる可能性が高くなります。

ダウンスイングですので、
バットとボールの接するポイントは、
ボールの下(側面)になりやすくなります。

これではチップ系のフライになる事が多いです。

スピンをかけて打つと言う事にも疑問が湧きます。
確かにスピンがかかる事は間違いないでしょう。

ですが、
中心部に当たっていない為、
効率的に力をボールへ伝える事ができていません。

これでは、
スピンのかかった力のない打球になります。

こちらの画像をご覧ください。


(Baseball Geeks:【打撃特集1】上から叩くな!新しいスイング理論 より引用:https://www.baseballgeeks.jp/?p=1271)

直球を打つ場合、バットの先端部が水平面よりも9°上向きの軌道、つまりアッパースイングで、ボール中心の1.6cm下側をインパクトすると、打球角度26°でバックスピン1800rpmの打球が放たれ、飛距離が最大化することがわかっています

引用元の記事から抜粋しましたが、
この様に記載されています。

ピッチャーのボールは5°〜10°程度下がってきますが、
そのままのボール軌道通りにバットを出すと、
同じ角度で飛んで行くはずです。

ールのやや下側(1.6cm)をインパクトする事で、
足りない分の角度をつけ、
バレルゾーンの角度をつけている事がわかります。

ヘッドも下がって当たり前

もう説明する必要もないと思いますが、
・ヘッドを下げない
という事も合理的でない事がわかります。

・ボールの軌道にスイング軌道を合わせる(回転面の一致)
・バレルゾーンの話
・バットとボールの衝突の話

からもわかる様に
地面から見ればバットヘッドは下がる
のは合理的であり、当たり前です。

ヘッドが下がるの意味

1つ説明をしておくと、
ヘッドが下がるというのは、
・肩の回転面よりもバット軌道(バットヘッド)が下がっている
事を意味します。

この場合はヘッドが下がっている状態となります。

少年野球ではスイング軌道を正確にしていく為の、
肩や肩甲骨、胸の動きが不十分な場合があります。

この場合がドアスイングやダウンスイングになる傾向があります。

その為、
バットヘッドが肩の回転面よりも下がる事があります。

これは推測にはなりますが、
「バットを下がっている=肩が下がっている」
と捉えている指導者の方は多い様に感じます。

合理的なスイングでは肩は下がります。

にも関わらず、
・肩を下げるな
と言い続けてしまう事で的確に指導する事はできず、
いつまで経ってもバッティングが改善させる事は難しくなります。

なぜ肩とヘッドは下げるなと言われ続けるのか

野球界ではなぜ
・肩とヘッドは下げるな
と言われ続けるのでしょうか?

これは今までの指導経験や、
仕事上指導者の方とお会いする事も多いので、
その点を踏まえて考察していきたいと思います。

フライはダメという神話

学生野球であれば、なんとなく前提として
「フライ=悪」
という印象があります。

これは特に少年野球・中学野球ほど多い様に思います。

理由としては、
・ゴロを転がす事で守備側のエラー(捕球、送球、判断)を誘う
と言う事が大きな理由としてあります。

ただこれは本当に正しいのでしょうか?

確かに正直少年野球・中学野球ではエラーが多い事は事実です。
これはまだスキルが成長段階の為、免れない事だと思います。

またフォアボールも圧倒的に多いですね。
盗塁も失敗する事は少ないでしょう。

その為に常に得点圏の状態になりやすい傾向があります。
実際にゴロになる事で得点に結びつく事もあります。

さらにバッティングスキルもまだ成長段階なので、
ヒットを打つ事が難しかったり、特定の子しか期待できない
というチーム事情もあると思います。

しかしこれは
・相手のミスを前提にした戦術である
・自軍の実力不足を露呈した戦術である

と言う事ができると思います。

少年期ではゴロ打ちを徹底する事で勝利に繋がることも
あるでしょう。

ただ、上のカテゴリーにいけば行くほど
エラーの確率は低くなります。

当然相手のミスを前提として戦術が通用するわけがありません。

これでは今だけしかできない戦術をとっているだけであって、
子ども(選手)の成長を考えると疑問が湧きます。

良い投手ほど「ゴロを打たせたい」と思っている

また上のカテゴリーにいけば行くほどピッチャーは、
ゴロを打たせようとします。

これはなぜでしょうか?

それは、
長打とフライアウトは紙一重である事を知っているから
です。
ピッチャーを経験するとわかりますが、
長打のあるバッターの方が、
精神的にもプレッシャーがかかります。

仮にフライアウトだとしても、バッターにしっかりとスイングされると
「このバッターはバッティングがいいな」
と警戒心を抱きます。

ゴロの方が長打になる確率が圧倒的に少ないです。

なので、切り替えて次のバッターに集中する事もできます。

長打があるという心理的プレッシャーだけも充分意味のある事です。

実際に長打を打たれてしまえば、
それだけ得点を許してしまう可能性が増えます。

回転の面の一致は調子のバロメーターになる

実は今回一番お伝えしたいのはここです(笑)

ここまでは回転面を一致させるメリットと、
一致しない場合のデメリットについて説明しました。

バッティングはその日によって微妙に誤差が出てきます。
肉体的な疲労や、コンディショニング、メンタル状態、意識している事
などによって変化していきます。

もちろんパフォーマンスを調整して行く方法は、
これだけではありませんが1つのバロメーターとして、
「2つの回転面が一致しているか」
は重要な指標になります。

ありがたい事に、
スマホなどで誰でも簡単フォームを、
チェックできる時代になりました。

調子が悪い時にチェックのポイントを持っておく事は、
選手にとっては重要な事になります。

また指導者としても試合前の、
ワンポイントなどでは充分に使えます。

何か打てないな〜、
何か調子悪いな〜、

という時は是非、
「回転面が一致しているか」
を確認してみて下さい^^

この記事が参考になれば幸いです。