俺の育成論

「できるコーチ」が当たり前にやっている野球指導方法

こんにちは。

今回は指導者・保護者向けの内容です。

チームに監督やコーチといった、
野球の指導にあたる立場の方は
必ずいますね。

この時、
「選手を伸ばす事ができる指導者」
と、
「選手の可能性を潰してしまう指導者」
の違いとは何があるのでしょうか。

もちろん技術面やメンタル面、
選手どの信頼関係の構築が強固であるなど、
様々な要素があります。

の記事では、
「技術を伸ばせる指導者」

「狙い通りに技術を伸ばせない指導者」
の差について書いていきたいと思います。

保護者の方もこれを読んでおくと
「どういった事を指導者が言っているのか」
を把握できるようになりますよ〜!

技術を伸ばせるコーチ、伸ばせないコーチの「差」

野球指導において、
バッティングや守備、ピッチング、走塁、戦術、戦略
などの様々な要素があります。

どの分野でも主に指導者の方は3つの視点から
指導されていると思います。

自分の指導を振り返りながら
読んでみてください。

1.状態を指摘するもの

例えば、
「バットが下から出ている」「肘が下がっている」
など、客観的な視点から指導をするものです。

この指導の有効な点は、
「自分では気づかない事が気づける」
事です。

自分の感覚と実際のフォームや動作には、
ズレがどうしても出ます。
新しいフォームにしたり、年齢が低いと尚更です。

なので自分では普通にスイングしているつもりでも、
実際にはバットが下から出たりする事があります。

このようなズレを認識できるようになります。

2.解決策を提示する

先ほどの「バットが下から出る」
という状態に対して解決策を伝える指導です。

「上から叩くように打て」や「右肘を張って打て」
「ヘッドを立てろ」
などが代表的な指導になりますね。

3.因果関係からの指導

「バットが下から出る」という状態に対し、
その原因から指導するものです。

「技術」というのは身体を使うものなので、
ある程度、因果関係があります。

こう身体を使ったら、こういうスイングになる。
こう身体を使うと、守備でステップがしづらくなる。
などです。

果関係からの指導の場合、
「原因」から改善していくので的確に、
技術を向上させたり改善が期待できます。

えば、
バットが下から出るのは軸足の使い方にある。
軸足に体重が残りすぎて回転する事によって、
下から出るから、改善するには
軸足からの体重移動の練習をしよう。
練習方法は○○なので、やってみよう。

簡単に表現しましたが、
このような感じですね。

私たちは、①の指導や②の指導のみでは不十分と考えています。

その理由を書いていきたいと思います。

なぜ「状態を指摘する指導」「解決策の提示する指導」だけじゃダメか?

なぜ状態指摘の指導では不十分なのか?

なぜ①②のパターンだけでは不十分かというと、
まず状態を指摘するだけでは、
「選手が何をすべきか?」
という事が理解しにくいという事です。

指導者:バットが下から出ているぞ!
選手:わかりました!(・・・でもそれって悪いの?)

の様な感じに陥りやすいです。
選手は指摘だけされても、何が悪いのかを理解できません。

理解出来なければ、改善も出来ないですよね。

善しないのでますます指導者から言われてしまいます。
怒られてしまい選手はどうしたらいいか、
わからない状態になります。

なぜ解決策の提示する指導だけでは不十分なのか?

まず1つに指導者からの解決策が的確でない事がある。
という事です。

「バットが下から出る」に対して
「上からたたけ」と指導したとしましょう。

しかし、残念ながらこれでは改善する可能性は低いと思います。
(上から打つ感覚で改善される選手もいます。ただ、これは偶然であり的確ではないです)

これは原因が特定できていないからです。

「バットが下から出る」のが
どの動作の場面で起きているのか?
がわからない限り適切に、
狙って改善させる事が出来ません。

ちなみに、
足に原因にある事もあれば、
筋力や構えに問題がある場合でも、
バットが下から出る事はあります。

なので、原因を特定する事ができないと
狙って選手を上達させる事ができません。

一概に「上からたたけ」と指導してもほぼ改善されません。

2つ目は「選手の思考能力が鍛えらない」
という事です。

状態を指摘し、解決策を提示したとしても
その解決策が合っていなければ改善の見込みが薄いです。

その場合選手は、
「やってもやっても、うまくならない」
「意識はしているのに、どうしたらいい」
の様になってきます。

これが更に進んでくると、
「練習しているのにうまくならない何をしたらいいんだ。もう怒られないように指導者のいう事を聞こう。」
と思考停止状態になります。

これは一番最悪です。

選手が受け身になってしまったら、選手としての可能性が
そこでとまります。

そうなったら、
・野球をやめるかも知れません
・あきらめる事を覚えてしまうかも知れません
・考える事をしない人間になるかも知れません
こんな事もありえると思います。

指導者が選手に納得できるように指導する事が大切で、
そのようにできている指導者は少ない様に思います。

仕事上、野球の試合を見に行きますが、
「おい!バットが下から出てるぞ!いつも言ってるだろ!!」
と、大声でぶりっぶりにベンチで怒る指導者を時々見ます。

言葉は悪いですが、
「いや、あなたちゃんと教えてるのですか?」と言いたくなります。
子供が伸びないのはめちゃくちゃな指導をしてる指導者の責任であり、
それで子供ができない事に対して怒るのは明らかに矛盾していると私は考えています。

自分の無能さが垣間見えますよね。

そんな状態では選手は怒られるのを避けるために
「思考停止」になります。
これは明らかに選手の為になりません。

因果関係から指導する事が大切

述べてきた理由で、
「状態を指摘する指導」と「解決策を提示する指導」
だけでは不十分です。

因果関係から指導をする場合、
原因が理解できるので的確に改善される効果だけでなく、
思考能力もつきます。

これは、
調子を崩した時に、原因が理解できていて
その原因に対しての対策も理解できているからです。

すると、試合ですぐに修正したり自主練習で方向性を修正したり
する事が可能になります。

選手にとってはとても必要な能力です。

「なぜ」と「どうするか」という「why」とその対策の「how」
が因果関係からの指導には含まれます。

これは何事にも重要ですね。野球からでも学べます。

指導者が見ているその先

私たちの持論ではありますが、
指導者は
「選手が野球を辞めた時に何が残せるか
を念頭におくべきと考えています。

野球選手として生計を立てていくのは、
ほんとに一握りです。

なので、現実的にはほとんど選手が
夢を叶えられず終わってしまうわけです。

その時に「野球スキル」は社会では必要のないものです。

バッティングがどれだけいいとか、球が140km/h投げれるとか
は関係ないですよね。

なので、「野球スキル」は意味がありません。

ですが、野球スキルを身につける過程では多くの事が学べます。

先ほどの思考能力もそうですし、忍耐力、努力する大切さ、
成功体験、自信、などあげたらキリがありません。

月並みな言葉ですが、上記の事はベースとして大切です。

「自分が何をしたか?どんな結果を出したか?」
という事より
「自分がどうしてきたか?どんな在り方でここまで進んできたか」
が人間的ベースをつくると思っています。

それを指導者は念頭に置かないといけないと思います。

選手を思考停止にさせてしまっては、
「野球スキル」も「人間的なベース」も野球を通じて身につきません。

ただ「野球が嫌いになった」「諦めた」という
負の財産が残るだけです。

これではいけないわけですね。
だからこそ、大切な選手(子供)の人生の一部を預かる身として
指導者としては、「選手の未来に何が残せるか?」
を考える事が必須です。

保護者も質問しよう

最後にですが、わからない事は保護者も質問すればいいかと思います。

・子供が理解できていなくて、悩んでいる
・内容が理解できない
・内容に矛盾があると思う

など感じた事は言うべきです。

もちろん指導者もすべてに答えられるわけではありません。
私たちもすべてを理解しているわけではないです。

なので、わからない事ももちろんありますが
完璧な人間はいないので多少の許容は必要かと思います。

ただ基本的には聞いた方が良いかと思います。

ある程度技量のある指導者ならしっかりと答えられるはずです。

に質問してブリブリ怒る指導者がいたら、
「自分の能力の低さを隠すために怒って聞かれないようにしているな」
くらいに思いましょう(笑)

保護者も指導者を見定めるだけの「目」をもっておくと良いです。

信頼できる指導者とそうでない指導者の差が見えてくるはずです。

-まとめ-

・指導方法は「状態の指摘」「解決策の提示」「因果関係からの指導」の3つ
・3つの観点から指導する事が最適で「因果関係からの指導」が最も重要
・「状態の指摘」「解決策の提示」は選手の思考能力を伸ばさない。
うまく効果がないと選手は思考停止になる
・指導者は「子供の未来に何が残せるか?」を念頭において指導にあたるべき
・わからない事は保護者も指導者に質問をしてみよう!