俺の育成論

成長し続ける選手に共通する「失敗を受け入れる力」とは?

スポーツは、ルールがあり、勝ち負けがあり、失敗がつきものです。

そして、失敗に対する捉え方次第で、
その選手が将来に渡って伸びていくか決まると言っても過言ではありません。

今回は、成長し続けるスポーツ選手に共通する「失敗を受け入れる力」について、
お伝えしていきたいと思います。

以下の方におすすめです。

 

 減点方式と加点方式の違いについて

まず、物事や人の評価の方法として、減点方式と加点方式という考え方があります。

減点方式とは、物事の判定や評価において、悪い点・失敗などの要素に応じて点数を差し引いていく方法です。100点(満点)から欠点やミスがあれば、点を引いていく方法ですね。

野球で言えば、エラーや三振、試合で負けるなど(一般的な意味での失敗)したらマイナスという捉え方です。

確かに減点方式では、悪い点(短所)を発見しやすく、問題解決が早くなるような感じがします。

しかし、どうしても物事や人の出来ていない部分に焦点を当てがちになるので、
減点方式では失敗=悪いこと、ダメなことという図式になりやすいですね。

そして、その考え方が定着してしまうと、何かにチャレンジする前から失敗を怖れるようになります。

 

一方、加点方式は、0点からスタートして、良いところがあれば点をプラスしていきます。
失敗した時に点が引かれることはありません。

つまり加点方式では、何かにチャレンジして仮に失敗したとしてもマイナスな評価をされることがないということです。

むしろ、失敗=経験値として捉えられるということです。

「こういう風にしたら失敗するんだぁ、じゃあ次はこうしてみよう」

失敗することを確認していき、うまくいく方法を試行錯誤できるのです。

 

例えば、ある選手がボール球を振って三振したとします。

そしたら、ボール球を振って三振という経験ができたと捉えるということです。
(※三振という失敗によって、レベルが上がる為の「経験値を積んでいる」イメージですね。)

「今の球は、ボール球だから次は見逃せるように工夫してみよう。どうすれば見逃せるかな?それともカットしてもいいかな?追い込まれる前に打ったほうがいいかな?」

と、このような感じで失敗したことを次うまくいくための材料だと捉えて、次に取る行動を決めていきます。

ここには、失敗というものに対してのネガティブな解釈はなく、むしろ「三振して良い経験ができた」という捉え方をしているということです。

アメリカのシリコンバレーの企業などは、このような考え方を採用してどんどんチャレンジすることが評価されるので、革新的なアイデアが形となりやすいようです。

 

指導者は、子ども達にどう指導していけばいいのか?

私たち大人が陥りがちなのは、私達自身も減点方式で教育を受けてきて、
子ども達を指導する時にどうしても「うまくいかなかった部分」を指摘しがちになります。

そして子供たちは、失敗しないように指導者の顔色を伺いながらビビってプレーするようになります。

ここで問われてくるのはいまの小中学生という時期に、
選手の育成や心の成長を考えず、勝てる強いチームを作ることだけを目的にするのか?

それとも、
将来に渡って子ども達が失敗を怖れずチャレンジし続けられたり、彼らの成長に重きをおいてチーム運営することを目的にするのか?

どちらに重きをおいて指導していくのか?を考える必要があるということです。
(※子ども達が怖れることなくのびのびチェレンジができて、さらに強ければ一番いいかもしれませんね)

結局、私たち指導者は、
その子自身の「こうしたい!」「こうなりたい!」という気持ちを尊重して、何度失敗してもチャレンジし試行錯誤し続けられる土台を作って上げることが、変化の多い時代で生き抜く力になるのだと感じます。

この加点方式の考え方で大事になるのは「子ども達が出来事への肯定的な捉え方をできるようにする」ということです。

なので、周りの大人の声かけ」がとても重要になりますね。

「ナイストライ!」

「ナイスチャレンジ!」

「失敗OK!次はどうすればいいかな?」

このように、チャレンジしたこと自体を肯定的に捉え、仮に失敗してもネガティブな解釈はせず、次はどうすればうまくいくかを一緒に考えていく姿勢をとるのがベターです。

人は、自分の願望を持ち、自分の意志に従って行動している時に、もっともパフォーマンスが発揮されます。自分の願望や意志にそぐわないことをやり続けるというのは、難しいことです。

 

まとめ